京都大学アフリカ学際研究拠点推進ユニットは3月11日(土)、稲盛財団記念館でキックオフ・シンポジウムを開催しました。シンポジウムには学内外の研究者や学生だけでなく、アフリカの連携機関や国内の資金配分機関の代表者も含む約100人が参加。シンポジウム終了後には懇親会も開催され、多種多様なアフリカ関係者が一堂に集い、親睦を深める非常に有意義な機会となりました。
シンポジウム冒頭で、稲葉カヨ理事・副学長(男女共同参画・国際・広報担当)が本学を代表して挨拶し、国際連合で2015年に採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」に触れ、貧困の根絶や生態系の保全等、本学のアフリカ研究者が長年問い続けてきた課題をSDGsの達成に向けてさらに推進するよう述べました。 来賓の挨拶では、科学技術振興機構の伊藤宗太郎副理事が、本学が東南アジアで実施している「日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進(JASTIP)」を例に挙げ、アフリカでも日本の科学技術協力を担う中心的存在として、本学が活躍するよう期待を寄せました。
基調講演では、アフリカ地域研究資料センターの市川光雄名誉教授が「History and Prospects of African Studies at Kyoto University」と題し、京都大学におけるアフリカ地域研究の歴史と展望を説明。その後、アフリカ学際研究拠点推進ユニット長を務めるアフリカ地域研究資料センター長の重田眞義・国際担当理事補が、日本初のアフリカ調査から現在まで、60年の歴史をたどる映像「京都大学とアフリカ」を上映し、人類進化の謎に迫る研究や、アフリカの潜在力を活かした社会貢献活動など、幅広く奥深いアフリカ研究の数々を紹介しました。
シンポジウム後半では、本学と学術交流を深めてきたアフリカの各研究機関の代表者が日本やアフリカでの研究軌跡などについて発表。ユニセフのケニア教育部門長で、「京都大学アフリカ同窓会」の代表を務めるダニエル・バヘタ氏は、「今後、京都大学がアフリカで展開していく際には、私たち同窓生を積極的に活用して欲しい。また、アフリカにいる同窓生と密接に連携していくためにも、是非アフリカ本土に京都大学の拠点を設置して欲しい」と述べました。
また、シンポジウム終盤には、韓国外国語大学アフリカ研究所と本学のアフリカ地域研究資料センターが、部局間学術交流協定の締結調印式を行い、盛会のうちに閉会しました。