欧州キヤノン財団の支援を受けたマケレレ大学バムタゼ准教授が講演を行いました(2019年7月25日)

2019年7月25日、マケレレ大学地理学教室のヤズィディ・バムタゼ准教授が第90回アフリカ地域研究セミナーで講演を行いました。バムタゼ准教授は、2019年度の欧州キヤノン財団-京都大学 日本・アフリカ研究者相互派遣プログラムに採択され、現在アフリカ地域研究資料センターに客員教員として滞在しています。

講演は「Livelihoods in Balance? Resilience Contestations in a Delicate Montane Socio-Ecology in Eastern Uganda」と題して、稲盛財団記念館3階のセミナールームで行われました。ウガンダを含むアフリカの高地では、人口増加と農地開発のため、土壌が荒廃し、地滑りが頻発する負の連鎖が続くと言われています。バムタゼ准教授は、このような定説に疑問を呈し、自然地理学と人文地理学の手法を融合しながら、地滑りが起こるプロセスを環境的要因と社会的要因の双方から検証してきました。ウガンダとケニアの国境に位置するエルゴン山を事例に挙げ、過去20年にわたる降雨量の変化と土壌の浸食度合を経年的に追いながら、地滑りが頻発する場所で農業を営む地域住民にインタビューを行ってきました。そして、地滑りが起こる背景には、降雨量、土壌の鉱物組成、農地用の貯水などの要因が複雑に絡み、地球温暖化や人口増加などの単純な要因に還元できないと述べました。

その後、アフリカ地域研究資料センターでバムタゼ准教授の受入れを担当している大山修一准教授がモデレーターとなり、質疑応答の場が設けられました。参加者からは質問が相次ぎ、「日本の山間部では地滑りを防ぎながら棚田が維持されおり、比較研究してみてはどうか」との意見が出るなど、議論が活発に行われました。

バムタゼ准教授は欧州キヤノン財団のプログラムを通じて3カ月本学に滞在し、8月にウガンダに帰国する予定です。

講演を行うバムタゼ准教授

大山准教授

質疑応答の様子

 

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