2019年5月20日、京都大学は、タンザニアのソコイネ農業大学と大学間学術交流協定を締結しました。今回の協定締結は、アフリカ地域研究資料センターが中心となり、農学研究科、地球環境学堂、アジア・アフリカ地域研究研究科と共に提案されました。
ソコイネ農業大学は、1970年に前身のダルエスサラーム大学農学部がタンザニアのモロゴロ市に創設され、農学・森林学・獣医学の分野で同国内有数の国立大学となっています。同大学の研究所(African Center of Excellence for Innovative Rodent Pest Management and Biosensor Technology Development)は、世界銀行が支援する高等教育プログラムの1つにも選ばれており、2018年10月には同大学の代表団が本学を訪問しました。
本学では、農学研究科やアフリカ地域研究資料センターを中心に、学生の相互派遣、JICA協力事業、共同研究を通じて同大学と交流を深めてきました。故・掛谷誠アフリカ地域研究資料センター名誉教授のリーダーシップの下、JICA研究協力事業「ミオンボウッドランド農業総合生態調査」(1994年度~1997年度)、JICA技術協力事業「タンザニア連合共和国ソコイネ農業大学地域開発センター」(1999年度~2004年度)が実施された際には、本学から長期専門家、短期専門家として多くの教員が派遣されました。社会貢献事業は現在でも継続しており、伊谷樹一アフリカ地域研究資料センター教授を中心に、農村開発、生態保全、地域産業振興等の分野において、とりわけ竹を原料とする竹酒の商品開発の研究が行われています。また、2004年に創設された地球環境学堂では、農学研究科と兼任している舟川晋也学堂長を中心に大学院教育を通じた学生交流を続けています。地球環境学堂は、2015年度から実施されている「京都大学ジャパン・ゲートウェイ・プログラム」で環境学分野として参画し、毎年開催されている国際スプリングスクールでは、これまで同大学から大学院生2名が参加しました。
本協定の締結により、アフリカ地域における協定校の数は11校となりました。今回の協定締結には、本学のアジア・アフリカ地域研究資料センターを卒業し、現在は同大学の人文・社会科学部で教鞭をとるDavid Mhando准教授が協力してくれました。今後もさらに活発な学術交流が期待されます。