2019年6月20日、バンコクにあるフランス国立科学研究センター・現代東南アジア研究所(CNRS-IRASEC)のClaire Thi Liên Tran所長がアフリカ地域研究資料センターを訪問し、高橋基樹 副センター長・アジア・アフリカ地域研究研究科教授らと懇談しました。この訪問は、約二ヶ月前、東南アジア地域研究研究所・バンコク連絡事務所で行われた事前打ち合わせの成果を踏まえたもので、懇談中は、アフリカ、東南アジアを舞台とした本学とCNRSの今後の交流に向けた話し合いが行われました。
話し合いにおいての焦点となったのは次の点です。Claire Thi Liên Tran所長は、フランスの研究所を、社会科学および人文科学におけるアフリカ-アジアの学術的枠組みにおける新たなファシリテーターとして位置付けることを意識しており、特に、アフリカと東南アジアが共に味わった西側諸国による植民地化の経験などは、領域を横断して多角的に検討すべき共通の課題であると考えています。そのため、今後の研究を加速させてゆくためには、個々の地域に焦点を絞るのではなく、アフリカやアジアを含めた多くの大学を巻き込んだプログラムを発展させる必要があるとの主張がなされました。この主張を踏まえ、上記の話し合いでは、博士課程学生を含めた両機関の若手研究者の交流や、領域横断的な国際会議開催の可能性などが議論されました。
今般の打ち合わせにより、日本、東南アジア、欧州、アフリカの各研究機関を巻き込んだ学術的交流のきっかけを作ることができました。今後は、2019年7月にオランダのライデン大学で開催される国際会議でさらなる議論を重ね、これにより、将来の学生交流・共同研究の大きな飛躍が期待されています。
懇談の様子 集合写真